皮膚外科
皮膚外科
皮膚科はあまり知られていませんが、もともと外科的処置の多い科です。
外科と言えば一般的には消化器外科、呼吸器外科や整形外科を思い浮かべる方々も多いと思いますが、傷の治療から、皮膚腫瘍、やけどなど皮膚科医が担当する外科分野も多いのです。
日常生活においても、傷を負うことはよくあります。傷と一言で言っても、その内容はすり傷・切り傷から、腱や骨まで達しているものまで様々です。
傷を扱う診療科も、皮膚外科だけでなく、整形外科や形成外科、一般外科など、多岐にわたりますが、皮膚表面の傷をきれいに治す専門科と言えば、皮膚外科になります。傷が深くて腱や骨、関節などが損傷しているかもしれない場合には、整形外科が扱います。
何科を受診するか迷った場合は、まずご相談ください。当院では、皮膚にとどまるけがでしたら、きれいに治るように適切な治療をいたします。
傷が治癒する過程において傷を埋める組織が過剰に増殖し、しこりのようになったものがケロイド、および肥厚性瘢痕です。ケロイドと肥厚性瘢痕を線引きする明確な診断基準はありませんが、一般に、ゆっくりではありながらも進行を続けて傷の範囲を超えて周囲に拡大するタイプをケロイド、組織の増殖が一時的で、傷の範囲内に限られるタイプを肥厚性瘢痕と呼びます。
ケロイドは、胸の真ん中辺りや肩、上腕の外側、背中の上部、下腹有毛部（帝王切開後）などの、比較的皮膚の緊張が強い部位に発生しやすい傾向があります。手術やけがの痕のほか、にきび痕や本人が気づかないような小さな傷からも発生することもあります。表面に光沢のあるやや赤いしこりで、端の部分はなだらかに盛り上がり、周囲の皮膚は赤みを帯びています。
治療としては、外科的治療、薬物治療、局所注射および圧迫療法などがあります。
一般的に高温による皮膚組織の障害をやけど（熱傷）といい、その深さ、範囲、年齢などによって重症度を規定します。また、湯たんぽや電気毛布、ホッカイロなど低温であっても長時間あてていたことによる低温やけど（熱傷）もあります。やけどはまずよく冷やすことが大切で、その後二次感染を起こさないよう正しい処置が重要になってきます。やけどを負ったときは放置せず、皮膚科を受診してください。
寒冷に暴露することで局所の血管収縮で生じる皮膚障害です。学童期に多く、手指、足趾、耳などに発症し浮腫、うっ血、紅斑を生じます。真冬よりも初冬、初春に生じやすく暖かい地方でも発症します。気温だけでなく、発汗による湿潤も関係しています。重症化すると潰瘍をきたすこともありますので、しもやけと侮らず、早めに皮膚科を受診してください。
ほくろは、正式には色素性母斑と言い、皮膚の一部にメラノサイトという細胞が集まってできたものです。ほくろは皮膚悪性腫瘍、特に悪性黒色腫（メラノーマ）との鑑別が大切です。ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用いた検査で鑑別していきます。当院では皮膚科専門医により正確な診断、外科医による外科的切除（手術、レーザーなど）ができ、診断から治療まで責任もって行います。気になるほくろが見つかったら、早めに皮膚科を受診しましょう。
皮膚に生じたできもののことを皮膚腫瘍といいます。腫瘍とは組織の一部が病的に変化し、増殖したものです。腫瘍は良性と悪性に大きく分けられ、良性腫瘍には、粉瘤、石灰上皮腫、脂肪腫などがあり一般に増殖が緩やかで生命をおびやかすようなことはありません。一方の悪性腫瘍（がん）は近くの組織に進入したり、遠隔転移して増え続けていき、生命にも影響してきます。一見、ほくろやしみなどと紛らわしい皮膚がん（悪性黒色腫など）もあります。当院では皮膚科専門医により正確な診断、外科医による手術切除ができ、診断から治療まで責任もって行います。皮膚に気になる変化が生じましたら、早めにご相談ください。
巻き爪とは、足の指にある爪の両端の先端部が、大きく内側に湾曲した状態を言います。負担のかかりやすい親指の爪が巻き爪になることが多いのですが、その他の指の爪もなることがあります。
巻き爪が進行すると、肉の部分に曲がった爪がどんどん食い込んでいき、次第に炎症や痛みを引き起こすようになります（陥入爪）。さらに、曲がった爪に巻き込まれた皮膚が化膿してしまい、歩くことが困難になるケースもあります。当院では爪甲切除やワイヤー療法（巻き爪マイスター：自費診療）などを行います。手術適応の場合は形成外科をご紹介します。